マンモと癌告知の話

マンモ技師さんにも上手い下手が居るんだなーと、思いながらオッパイを挟まれていた。1週間後のマンモである。実に13年ぶりのマンモ。

オッパイをギュウギュウに挟まれながら私は看護師の友達に申し訳ない事をしてしまったと思っていた。

恐らく私は今日、癌の告知を受ける。

なんとなく、直感的にそう感じた私は結果をもう知っているであろう友達に何かを背負わせてしまった気がしていた。
同じく癌と知っているであろうマンモ技師さんの控えめな明るさにも申し訳ない気がしていた。

診察室に呼ばれる。
友達が私からは見えない角度に座った。
少しの前置きの後、やはり先生は悪性という言葉を口にした。
乳ガンだ。

簡単に癌の状態を説明してくれ、早い段階での発見だと話してくれた。
「ここまでで何か質問はある?」という問いかけに私は「はぁ。。。」と、ため息とも何とも言えない声を漏らした。そうだよな。そうなるよな。と先生と友達と笑った。

クリニックでは手術が出来ないため、2つの病院の名前を出してそれぞれの病院の特徴を話してくれる。
内、片方の病院であれば今すぐに電話をして話をつけてくれるという。
迷うこと無くそちらの病院を選んだ。
先生は「よし。」というと、携帯を取り出した。
「あ。どうも。お疲れさん。今少しいいかな。またさ。お願いしたいんだ。」
先生が専門的な用語で癌の状態を伝えている間、私はボーッとそれを聞いていた。
直感的に癌と悟っていたのになんともしっくり来ない。癌。かぁ。

週明けに紹介先の病院に行くことになり、紹介状を書いてもらう間、誰も居ない待合室で末子を預かってくれている友達に癌だった事を知らせる。

海外出張中の主人に電話をするべきなのか悩んだが、時差があるのでラインに「ごめんね。癌だった。」といれた。

看護師の友達には診察室で挨拶をして別れた。後に知ったのだけど、友達はこの日、仕事中に体調が悪くなったのに私のために休憩室で待っていてくれたらしい。

この二人と主人には本当に頭が上がらない。ずっとずっと私を、家族を支えてくれている。