ママ友看護師さんを見学しに行くくらいのつもりでクリニックに行った話
看護師の友達から電話がかかってきた。
後ろからドクターの「いつなら来れるのー?」という声が聞こえる。こうなったら逃げることが出来ない。日を決定して電話を切る。
当日は友達が働いている姿を見学に行ってこよう‼️
そんな気持ちで自転車を漕ぎ、クリニックへ行った。自分のための病院は久々だった。
受付で名前を伝えると話が通っていて、直ぐに名前と生年月日等が既に記載されている問診票が出てきた。
必要な項目を書き込み、末子を預かってくれている友達にラインをする。
「凄く混んでる。Tちゃん診察室かなぁ。まだ会えない。」
友達は末子の様子を知らせてくれた。
小一時間ほどたったところで友達が診察室から出てきて手を合わせた。待つのは覚悟していたのでフルフルと首を振る。やっと見る事ができたナース姿にニヤニヤする。
それからほどなくして名前を呼ばれドクターに挨拶をした。
とりあえず診てみようと診察台に横になり、しこりの場所を伝える。
触診した瞬間にエコーを撮るよとエコーが登場する。画像を見ているドクターの顔を何となく観ることができなかった。
「あのさ。ここにこれ、白く映ってるのね。何かあるのは間違い無いね。これさ、組織を針でとってみるね。いいものか、悪いものか見てみるために。」と、素早く行動に移る。とにかく素早い。
ちょっと痛いよと言われたけど痛みに強い私。大丈夫っす!と、検査を終える。中には叫ぶ人もいるらしい。
そしてドクターは再度エコーを見ながら「ちっちゃい。ちっちゃいからね。」と何度か呟いた。
次回、1週間後にマンモも取りに来てとその日の診察は終わった。
この辺りから今日まで私の足は地面についていない。ずっと、ずーっとふわふわ、ふわふわしたまま。不安だとか悲しいとかドキドキだとかそんなものは一切ない。ただ、ふわふわしている。
まずはしこりを見付けた話
私の癌は左胸の内側にあって、場所的に少し珍しいらしい。
友達に言うと癌も持ち主に似てひねくれてるな!と言われた。ほんとそれ。
自分で気づいたのは本当に幸いだったと思う。
よく乳ガンが出来るのは脇側らしくて、そうしたら下着をを付ける時などに気付きやすいらしい。
内側は寄せて上げたりしないので触らない。
たまたまお風呂で触って気付き、看護師であるママ友に連絡をした。
この頃の私はかなり無知で「産婦人科に行けばいいの?」等と聞いた。友達は「乳腺外科があるとこ!うちのドクター診れるから!」と言ってくれたけど、なんせ病院嫌いの私。子供も三人いて、当時一番下の子はまだ未就園児だった。
ありがとー。と、言いつつ話を終えた時はまだ何とかなるさーくらいの気持ちだった。
でも、友達の何となくピンときた。という勘とドクターにこの先救われることになる。